2025/12/11 18:36
アンティークやヴィンテージの器には、ダメージがつきものです。ダメージがあっても、ひとつの個性と感じて、連れて帰りたいっ、お客様にも受け継いでいただけそう、と判断したものは、買い付けし、ご紹介・販売しております。
「カケ」
縁などが、外部との衝突(落としたり、ぶつかったり)によって欠けた状態。上から見ても下から見ても横から見ても、欠けていると判断できる、比較的に大きなものを「カケ」とお伝えしています。金継ぎなどで修復も可能ですが、古手の器に対しては、カケそのものを美と捉える方も少なくありません。
「チップ」
カケ同様に、外部との衝突(落としたり、ぶつかったり)によって欠けた状態ですが、見ただけではわからなく、触ってみてから判断できる程度の小さなものを「チップ」とお伝えしています。
「ヒビ」
カケ・チップ同様、外部との衝突(落としたり、ぶつかったり)によって、表裏貫通した亀裂が入った状態のもの。見ただけでも判断でき、比較的太めの亀裂のものを「ヒビ」とお伝えしています。このヒビからカケに生じることも起こりえます。
「ライン、またはヘアライン」
ヒビ同様、外部との衝突(落としたり、ぶつかったり)によって亀裂が入った状態のものですが、ヒビと異なり、釉薬の内側に亀裂が入ったものや、貫通していないもの、あるいは、見ただけではわからないくらいの細い亀裂のものを「ライン」とお伝えしています。水分が染み込むこともありますが、乾燥すると見えなくなります。
「スレ」
縁や裏面の台座など、他のものと擦れて、釉薬が剥がれて、陶器の素地が浮き出た状態のものを「スレ」とお伝えしています。
「ステイン」
長く使われ、食材や調味料などの色素がだんだんと沈着されて、色が変化していった状態のものを「ステイン」とお伝えしています。重曹や漂白剤で落とせるものもありますが、古手のアンティークの場合は、落とせない場合が多いかと思います。ぽわにえ・だむーるは、それを経年美化と感じております。また、今現在、ステインがなくても、色素の強い、カレーや醤油系、コーヒー・紅茶はステインが起こりやすいと思われますのでお気をつけください。ちなみに、研磨剤が含まれているもの(激おちくんなど)は、アンティークの食器にはおすすめしません。
「キズ」
プレートには、ナイフやフォークなどのカトラリーあとがついているものも少なくありません。そのプレートが愛され、たくさん使われた証だと思っています。しかしながら、気になるお客様もいらっしゃいますので、「キズ」とお伝えしています。
ちなみに、焼成時についたキズ=窯キズ、目跡などはダメージではありませんが、記載はしております。
「金継ぎ」
ヒビ、カケ、割れなどのダメージは、そのまま、飾ったり、お使いいただく他、「金継ぎ」を施して、新たな命を吹き込む方法もあります。
写真は1910〜1930年代のブリュロです。大きめのカケがあったので、金継ぎして、日常的に使っています。上手ではありませんが、金色がアクセントとなって気に入ってます。

